和歌山県和歌山市美園町のメンタルクリニックおおや

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おおや通信
NEWS

体内時計と肥満

体内時計が乱れると、入眠困難、中途覚醒、早期覚醒、日中の強い眠気等が生じます。仕事の効率が落ち、疲れやすく、事故やミスも出現しやすくなります。それだけでなく、肥満化が生じるとも言われています。また逆に、肥満が体内時計を狂わせるとの研究報告もあります。早寝早起き、規則正しい食事は、体内時計を守り、肥満防止に役立つことにつながります。

光療法3

光療法で何故効果があるのかはメラトニン仮説に依拠しています。これは、太陽光を網膜が感知して約14時間後に脳の松果体から睡眠誘発物質メラトニンが分泌される、との仮説です。海外では、メラトニンを薬局で入手可能な国もあります。厚労省はメラトニンを医薬品としては認めておりません。

光療法2

下記の治療では、太陽光と同等度の光を照射できるパネルが治療室に設置されており、ある時間が来るとその治療室で眠っている患者さんに光を照射し、照射する時刻を徐々に早めていくという方法をとっていました。このような設備はなかなかありません。通常は光療法用のライトを用います。

光療法1

先日TV番組で、睡眠覚醒リズム障害の青年の光療法による治療方法が紹介されていました。その方には昼夜逆転現象があり、朝にどうしても起きることができないというものです。10日ほどの入院加療で回復されていました。

慢性疲労症候群(CFS)について

厚生労働省の診断基準では,慢性的な強い疲労を主(大症状)とする病態で,臓器疾患や膠原病等,精神疾患を除外したものになっています。リンパ節の腫脹や微熱,筋肉痛や関節痛が小症状に含まれます。実は診断基準をみてもよく解らない疾患であるとの印象です。問題点はいくつかありますが,ひとつは疲労(客観的指標)や疲労感(主観的評価)が定義されていません。また,何らかのウィルスや細菌の感染が免疫機能を中心にして機能障害をもたらすことのようですが,原因病原体が特定されると○○感染後遺症となってしまいます。さらに最近ではストレス原因説も出て混乱しているようです。ただし,臨床では強い疲労感のみを訴え,大変風邪をひきやすい方やアレルギー疾患をお持ちの方をたくさん診察します。この疾患概念の有用性はまだ未知数ではないでしょうか?

睡眠学

デジタル機器の発達で,長時間の脳波記録が可能になりました。かつては記録紙に保存されたデータが今はディスクに保存可能です。このことが睡眠に関する知見を飛躍させました。磁気記録されたデータをパソコン画面で閲覧したり,計量化することができます。

昼寝1

文部科学省に「快適な睡眠の確保に関する総合研究班」というのがあるそうです。それによると、午後の眠気を改善するには、①15分程度の短時間仮眠、②仮眠前にカフェインを飲むこと、③仮眠直後に太陽光などの高照度を浴びること等が推奨されています。午後2〜3時ごろに眠くなることは生理的なものです。その時間帯以外に強烈に眠くなるとすれば、お気をつけ下さい。

過重労働について1

労働に関する法律は労働三法をはじめとして少なくとも50はあります。その中で労働者の健康に関する法律でもっとも重要なものとしては労働安全衛生法が挙げられます。元々は危険を伴う職務に対する雇用者(会社)側の被雇用者への安全配慮が中心でしたが,「過労死」という概念が徐々に広まり,脳・心臓疾患や精神疾患に対する配慮義務も謳われています。今までにも過労死や過労による障害の労災認定や裁判例はありましたが,2002年以降特に過重労働による労災の認定や裁判での過重労働と死亡や障害との因果関係を認める判決が続出しています。同法では,一定規模以上の事業所に産業医を配置する義務,一定時間以上の残業をする被雇用者に産業医の診察を受けさせる義務等が明記されています。A氏は産業医という言葉を知らなかったようです。

暑さ対策

今年も猛暑がやって来たという頃になりました。近畿の梅雨明け宣言は未だのようですが、もう立派な猛暑です。暑さによる健康被害は体が熱さに耐えられない、食べ物が腐敗しやすい、寝苦しかったり食が細くなり体力が落ちる等です。直射日光を避けたりこまめに水分を摂ったりすることが必要ですが、数年前に比べ明らかに日本中の気温が上がっています。お気をつけ下さい。

至適睡眠時間

昨日TV番組で睡眠時間の話題が放送されていました。成人では通常5〜8時間の至適睡眠時間が常識的で、人によってはそれよりも短時間でよいショート・スリーパー、それより長時間を要するロング・スリーパーが存在するとのことです。午後に眠くなるのは夜間の睡眠の質を上げる助けとなるそうです。ただし、せいぜい15分から30分程度で、うたた寝がいいそうです。昼食後20分程度全員で昼寝をする学校が紹介されていました。うたた寝ができなくとも目を閉じることで視覚刺激を遮断する効果があり、夜間の睡眠の質を上げるそうです。