和歌山県和歌山市美園町のメンタルクリニックおおや

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おおや通信
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過重労働について1

労働に関する法律は労働三法をはじめとして少なくとも50はあります。その中で労働者の健康に関する法律でもっとも重要なものとしては労働安全衛生法が挙げられます。元々は危険を伴う職務に対する雇用者(会社)側の被雇用者への安全配慮が中心でしたが,「過労死」という概念が徐々に広まり,脳・心臓疾患や精神疾患に対する配慮義務も謳われています。今までにも過労死や過労による障害の労災認定や裁判例はありましたが,2002年以降特に過重労働による労災の認定や裁判での過重労働と死亡や障害との因果関係を認める判決が続出しています。同法では,一定規模以上の事業所に産業医を配置する義務,一定時間以上の残業をする被雇用者に産業医の診察を受けさせる義務等が明記されています。A氏は産業医という言葉を知らなかったようです。

過重労働について2

労働基準法では,法定労働時間を1日8時間,1週40時間と定め,これを超える場合には労使協定を締結することが義務化されています。この上限時間も原則1年間につき360時間と定められています(労働基準法第32条,平成10年労働省告示第154号)。また月45時間を超える時間外労働をさせた場合について,事業者は,当該労働をした労働者に関する種々の情報を産業医等に提供し健康管理について助言指導を受けるものとなっています。さらに月100時間を超える時間外労働を行わせた場合や2か月間ないし6か月間の1か月平均の時間外労働が80時間を超えて行わせた場合については,当該労働をした労働者に関する種々の情報を産業医等に提供し,面接による保健指導を受けさせるものとするとなっています。事業所の業種や労働者の仕事の内容によっては法定労働時間を弾力的に決めざるを得ないのですが,超過勤務については月45時間以上の場合に使用者に義務が生じるわけです。