- 2008年1月19日
- 診断
診断基準の曖昧さ5
「目に見えないものを診断者が正しく判断できるのか」という問いはかなり哲学的(認識論的)問題です。懐疑主義的な考えでは、目に見える客観的対象ですら人は正しく認識できず、ましてや精神的な現象は尚更認識できないことになります。また懐疑論に拠らず、認識できると仮定しても、それを正しく他者に伝達できるのか、他者が正しく理解できるのかという問題が生じます。診断はある種の仮説(診断基準)に拠るものであり、その仮説は暫定的であることを肝に銘じなければなりません。