和歌山県和歌山市美園町のメンタルクリニックおおや

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おおや通信
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うつ状態、うつ病について20(治療2)

治療の第一は休養ですが、なかなか休養を受け入れられる状況でなかったり、受け入れることに抵抗される方が多いのが現状です。第二は薬物療法です。うつ状態では脳内のセロトニン、ノルアドレナリンが不足していると薬理的には考えられています。それらの不足を補うのが抗うつ薬です。認知療法等の心理的関与(非薬物的治療)にも一定の効果はありますが、ある程度状態が改善してからでないと意味はないと考えられます。

うつ状態、うつ病について19(治療1)

疲弊によるうつ病の治療の第一は疲労の回復(休養)です。適応障害的なうつ状態では原因の除去や本人の対応や心的処理方法を考えることが重要です。身体的要因(甲状腺機能低下症やホルモン異常(所謂更年期障害)等)によるうつ状態では身体的な治療が重要です。しかし何れのケースであっても、抗うつ薬の服用は有効であることが多いのです。うつの原因やひきがねが如何様であっても、脳の中の状態はほぼ一様です。そこに抗うつ薬が作用するわけです。

診断基準の曖昧さ2

精神医学的診断基準は数値や画像ではなく言語で表現されます。言語は多義性を否定できませんので、身体医学に比べ精神医学的診断基準は曖昧で解りにくいものです。しかも代表的な下記診断基準は数年毎に改変されています。身体医学の進歩を新たな事実の発見とするなら、精神医学のそれは新しい解釈や概念の抽出と言えそうです。

診断基準の曖昧さ1

現在繁用される診断基準はDSM(アメリカ精神医学会)とICD(世界保健機関)です。誰もが納得できる診断基準は望むべきではありません。客観性の担保や異なった文化・社会で使用されるという点から、それら診断基準の立場は症候論的なものであり、原因論が排除されるのが原則です。よく「○○の原因でうつ病になった」と言われますが、うつ病の診断基準自体には原因は含まれていません。また障害は「社会生活を営む上での障害」との意味も含むのですが、社会は変化し、国や地域によって「何が社会的か?」は一定ではありません。

睡眠について10(うつ病性不眠)

うつ病での典型的な不眠は、睡眠中断(中途覚醒)と早朝覚醒です。寝付きは案外スムーズです。夜中に何度も目が覚めたり早朝に覚醒してそのまま起床時刻まで再入眠ができません。日中には眠気が出現し、睡眠と覚醒のメリハリがなくなります。その意味でうつ病は睡眠と覚醒のリズムを撹乱する病態とも言えます。この撹乱は起床後なかなか気分や体が活動を開始しないというモーニング・メランコリアとも関係します。うつ病の治療開始時に、「睡眠薬が残って朝方眠くてしょうがない」との発言が患者さんからよく聞かれますが、うつ病自体が寝起きが悪いこともあり、睡眠薬か残ったか否かは微妙です。専門医がいきなり長期作動型の睡眠剤を処方することはまず無いのではないでしょうか?

うつ状態、うつ病について18(診断3)

現行診断基準では原因論や病前性格論が登場せず、もっぱら症候論的記述の診断基準を満たすか否かで診断されることは前述しました。この診断基準の立場を操作主義といいます。よく「ストレスでうつになった」との表現がなされますが、このような原因論的な考え方を診断基準は採っていません。原因論的な記載は主観性を排除できない訳です。ただし、所謂ストレス(ストレッサーと表記すべきでしょうが)がうつの引き金にならないとは誰も考えないでしょう。

睡眠について9(不眠の分類5)

前記3の内科的/精神科的障害と関連する睡眠障害では、その疾患そのものの治療が睡眠障害の治療になります。内科疾患が睡眠障害を惹起することは以外に多く、内分泌や自律神経が障害される疾患は日内リズムが撹乱され睡眠障害を導くことは容易に想像されます。また、うつ病や神経症でも不眠はほぼ必発と言えそうです。不眠が内科的/精神科的障害を増悪させることがありますから、その場合は睡眠障害の治療を並行して行う方がいいでしょう。

睡眠について8(不眠の分類4)

睡眠は、浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠のセットで成り立っています。このセットが一晩に3〜4回繰り返されます。レム睡眠期では脳は活発に働き夢を見ており、筋肉は弛緩しています。このとき覚醒が中途半端に起こると、夢を見ながら覚醒しており体は動かせない状態となります。これはいわゆる「金縛り」を説明するひとつの理論です。前記2の睡眠随伴症の一例です。

休診日のお知らせ。9月19、25日。

9月19日(水)は入居テナントビルの休館日のため休診します。また、9月25日(火)は院長不在のため休診します。ご迷惑をお掛けします。また、9月17日より心理部門は月、水、木、金の週4回となります。予約は随時ですので、お電話やメールでお問い合わせ下さい。10月にはホームページの更新・改編を行います。ふくろう(梟)がいよいよ飛翔します。