和歌山県和歌山市美園町のメンタルクリニックおおや

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おおや通信
NEWS

睡眠学

デジタル機器の発達で,長時間の脳波記録が可能になりました。かつては記録紙に保存されたデータが今はディスクに保存可能です。このことが睡眠に関する知見を飛躍させました。磁気記録されたデータをパソコン画面で閲覧したり,計量化することができます。

昼寝1

文部科学省に「快適な睡眠の確保に関する総合研究班」というのがあるそうです。それによると、午後の眠気を改善するには、①15分程度の短時間仮眠、②仮眠前にカフェインを飲むこと、③仮眠直後に太陽光などの高照度を浴びること等が推奨されています。午後2〜3時ごろに眠くなることは生理的なものです。その時間帯以外に強烈に眠くなるとすれば、お気をつけ下さい。

過重労働について1

労働に関する法律は労働三法をはじめとして少なくとも50はあります。その中で労働者の健康に関する法律でもっとも重要なものとしては労働安全衛生法が挙げられます。元々は危険を伴う職務に対する雇用者(会社)側の被雇用者への安全配慮が中心でしたが,「過労死」という概念が徐々に広まり,脳・心臓疾患や精神疾患に対する配慮義務も謳われています。今までにも過労死や過労による障害の労災認定や裁判例はありましたが,2002年以降特に過重労働による労災の認定や裁判での過重労働と死亡や障害との因果関係を認める判決が続出しています。同法では,一定規模以上の事業所に産業医を配置する義務,一定時間以上の残業をする被雇用者に産業医の診察を受けさせる義務等が明記されています。A氏は産業医という言葉を知らなかったようです。

暑さ対策

今年も猛暑がやって来たという頃になりました。近畿の梅雨明け宣言は未だのようですが、もう立派な猛暑です。暑さによる健康被害は体が熱さに耐えられない、食べ物が腐敗しやすい、寝苦しかったり食が細くなり体力が落ちる等です。直射日光を避けたりこまめに水分を摂ったりすることが必要ですが、数年前に比べ明らかに日本中の気温が上がっています。お気をつけ下さい。

アルコール談話4

A氏に「何故酒を飲むのか?」というかなり哲学的な疑問が湧きました。最も単純な答えは「個人的には爽快期」を味わうためです。もちろんお酒自体が美味しい,食事を美味しくさせるという理由もあるでしょう。お酒自体が趣味という方もおられます。集団的になると,お酒は盛り上がるためです。これは集団的爽快期および興奮期です。緊張感が取れ,やや多弁になると普段は話しづらい相手とでも会話が弾みます。一緒に飲んでいる人たちと一体感や連帯感を感じてしまいます。宴会や祭礼でお酒が登場する理由はこれらにあります。ただし,度が過ぎると…,です。

アルコール談話3

A氏の酔い方は今のところ単純酩酊です。アルコールを摂取すると血中濃度が高くなるに従い,爽快期,興奮期,酩酊期,泥酔期,昏睡期となります。ただし個人差がかなりあります。“酒の強い人”というのは酩酊期に大量のアルコールを摂取できる人と換言できます。爽快期は酒気帯び運転,興奮期で酒酔い運転に該当します。泥酔期では意識がなく,昏睡期では心肺機能に障害が出ます。お酒に慣れていない学生がコンパなどで“一気飲み”により泥酔や昏睡状態になるとします。速やかに救急医療を受けなければなりません。放っておけば死に至りますので注意して下さい。そもそも現役で大学に合格すればまだ18歳の未成年ですので。

アルコール談話2

「アルコールは薬物である」と聞くと違和感を持たれる方も多いかと思います。薬物とは、「自然界からの抽出や発酵、あるいは化学的合成により生成され、身体や精神に影響を与えるもの」と考えれば、アルコールは薬物です。おまけに、依存性を有しています。抗不安薬や睡眠剤の依存性を気にされる方は多いのですが、アルコールは合法的で処方箋の不要な依存性を有する薬物であり、単回の使用でも精神に影響を与えるものです。

アルコール談話1

5月30日に登場した若いサラリーマンはアルコールという薬物の影響下にありました。アルコールの作用は最も単純に説明すると神経麻痺作用です。精神状態に影響したとすれば、中枢神経を麻痺させたことになります。酩酊(お酒に酔うこと)は単純酩酊と異常酩酊に大別されます。異常酩酊では「人が変わる」場合や意識がはっきりしないこともあります(単純酩酊でも記憶が飛んでいることはあります)。幻覚や妄想が出現することもあり得ます。異常酩酊者は周囲から煙たがられたり、警察のご厄介になったりされます。ご自愛を。

フィクション:サラリーマンA氏の苦悩2

4月のある日,A氏は残業のため遅くなった。それでも終電まで2時間以上あり,いつもの立ち飲み屋に寄った。普段より遅い時刻なので,いつも見かける顔がない。時間によってメンバーが代わる。隣で飲んでいる30歳くらいのサラリーマンが店員に何か文句を言っている。初めて見る顔である。かなり酔っている。店員も初めて見る顔で,言葉からは中国人っぽい。サラリーマンと店員の会話はかみ合わない。他人が酔って絡む姿は余りいいものではない。するとそのサラリーマンはA氏に話しかけ,同意を求めてきた。「ねえ,ちょっとひどいでしょう?」。訳の解らないA氏は話す言葉はない。困惑したA氏であった。店員は何故文句を言われなければならないかが解らないらしい。(続く)

フィクション:サラリーマンA氏の苦悩1

A氏は43歳、従業員総数5000人を超える企業の総務部某課の課長である。勤務地西新宿から15Kmほど離れたC市に居住し、子供が2人いる。最寄の私鉄の駅から新宿までは約25分の通勤時間である。家庭や会社には特別の不満は無い。仕事が終わると、新宿駅周辺の立ち飲み屋でちょっと一杯引っ掛けるのが楽しみである。その店に行くと、客のメンバーは大体固定している。客同士は詮索し合わないのが礼儀(?)なので、よく隣り合う50過ぎの男性とも軽く会話はするが、その人がどこの誰かは知る由も無い。(続く)